昔の人は一体何歳くらいで結婚していたのか。
本当に10代での結婚が当たり前だったのか、法律はどうなっていたのか？
今の感覚で見ると驚くような年齢で結婚や出産をしていた印象がある一方で、実際のところは地域差や家の事情、法律の定めなど、さまざまな背景がありました。
「昔は若いうちに結婚していた」と一言で片付けてしまうと、当時の暮らしや価値観を正しく理解できません。
この記事では大正時代の結婚年齢について、法律・実態・男女差・他の時代との比較を交えながら、丁寧に解説していきます。
歴史に詳しくない方でも、自然とイメージできる内容を心がけています。
- 大正時代の結婚年齢が法律でどう決められていたか
- 15歳での結婚は本当に一般的だったのか
- 男性と女性で結婚年齢にどんな違いがあったのか
- 明治・昭和初期と比べた結婚年齢の変化
大正時代の結婚年齢と法律
大正時代の結婚年齢は法律で明確に定められていました。
当時適用されていたのは明治31年に施行された旧民法です。
理由として、この旧民法では男女それぞれに最低結婚年齢が設定されていたため、完全に自由な年齢で結婚できたわけではありませんでした。
具体的には次のように定められていました。
| 性別 | 法律上の最低結婚年齢 |
|---|---|
| 男性 | 17歳以上 |
| 女性 | 15歳以上 |
つまり、「大正時代 何歳から結婚できるのか」という疑問に対しては、女性は15歳、男性は17歳からが正式な答えになります。
ただし、未成年の場合は戸主や親の同意が必要でした。
大正時代、15歳での結婚は普通だったのか
法律上は可能でも、誰もが15歳で結婚していたわけではありません。
実際の結婚年齢は家の経済状況や地域性、女性の役割意識によって大きく左右されていたからです。
農村部では早婚が比較的多かった一方、都市部では20歳前後での結婚も珍しくありませんでした。
例えば農家では「働き手」としての役割が重視され、早めに嫁ぐケースがありました。
一方で、商家や都市部の家庭では花嫁修業や家業の手伝いを経てから結婚することも多かったのです。
大正時代の男性の結婚年齢
男性に目を向けると、女性よりもやや高めだったことが分かります。
法律上は17歳から可能でしたが、実際には20代前半で結婚する男性が多かったとされています。
理由として、男性は家を支える立場であり、ある程度の収入や仕事の見通しが立ってから結婚する必要があったためです。
例えば、会社勤めや職人として修業を積んでから家庭を持つケースも多く、女性ほど極端な早婚は少なかったと言えるでしょう。
大正時代の出産年齢
結婚年齢と切り離せないのが出産年齢です。
大正時代の出産年は、結婚後すぐに第一子を授かるケースが多かったのが特徴です。
これは、避妊の知識や手段が限られていたこと、また「子どもを持つこと」が結婚の大きな目的の一つだったためです。
その結果、10代後半から20代前半で出産する女性も珍しくなく、現代と比べるとかなり若い年齢で母親になる人が多かったことが分かります。
他の時代と比較
明治時代との違い
明治時代は家制度がより強く、結婚は家と家の結びつきとして扱われる側面が色濃く残っていました。
そのため、本人の意思よりも家の都合が優先されることが多かったのです。
一方、大正時代になると「恋愛結婚」という言葉が徐々に広まり、都市部を中心に価値観の変化が見られました。
昭和との比較
大正時代よりもやや結婚年齢が上がる傾向が見えてきます。
理由としては、戦前の不安定な社会情勢や都市化の進行により、結婚を慎重に考える人が増えたことが挙げられます。
特に男性は兵役や仕事の影響を受け、結婚が遅れるケースもありました。
このように、結婚年齢は時代背景と密接に関係していることが分かります。
年齢差はどれくらいあったか
夫婦の年齢差が大きいケースも珍しくありませんでした。
これは、男性が年上、女性が年下という組み合わせが一般的だったためです。
5歳以上離れている夫婦も多く、10歳近い差がある場合もありました。
背景には、男性が経済的に安定してから結婚する一方、女性は若いうちに嫁ぐという価値観があったことが影響しています。
大正時代結婚年齢から見えるまとめ
- 大正時代の結婚年齢は旧民法で定められていた
- 女性は15歳、男性は17歳から結婚可能だった
- 15歳結婚は可能だが一般的とは限らない
- 農村部では早婚、都市部ではやや遅めだった
- 男性は20代前半での結婚が多かった
- 結婚後すぐに出産する家庭が多かった
- 出産年齢は現代よりかなり若かった
- 明治時代は家制度の影響がより強かった
- 大正時代は価値観が変わり始めた時期
- 昭和初期は結婚年齢がやや上昇した
- 夫婦の年齢差は今より大きい傾向があった
- 男性年上、女性年下が一般的だった
- 結婚は家の事情が大きく影響していた
- 法律と実態には差があった
- 時代背景を知ることで結婚観が理解できる
参考資料
- 旧民法（明治31年法律第9号）家族法規定
（出典：国立国会図書館デジタルコレクション）
大正時代に適用されていた結婚年齢（男性17歳以上・女性15歳以上）が明文化されている法令原文
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787953 - 人口統計資料集（婚姻・出生に関する長期統計）
（出典：国立社会保障・人口問題研究所）
大正〜昭和初期における結婚年齢・出産年齢の実態を把握できる公式統計資料
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Data/Popular2024.asp - 日本長期統計総覧（婚姻・家族構成データ）
（出典：総務省統計局）
明治・大正・昭和初期を通した結婚年齢や年齢差の推移を比較できる政府公式統計
https://www.stat.go.jp/data/chouki/index.html
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